旅館・ホテルをチームビルディング拠点へ。 MASAラボは、Webマガジンを起点に個店を「学習プラットフォーム」化します。 AIと地域資源を編み直し、顧客のストーリー創造性を高めるナーチャリングを支援。 インハウスSEO→実店舗OMO施策まで24時間稼働デジタル営業マンが地域ブランドの未来を拓きます。
1.観光 ×2.景色 ×3.宿×4.グルメ×5.体験
観光目的からはじまり、街の景色に魅せられ、宿を選び、グルメに心踊らさせ、その時の体験を感じ取る。これが、観光地と宿泊施設との最初の出会い。(一度は行きたい、でも不便だから二度目はいつになるか?)
さて、その地、移動に時間がかかる観光地にある旅館にリピートしてでも行きたくなる動機とは?
・魅力的な複数の宿巡り
・季節のグルメ体験とお店巡り
・知識を埋める観光地巡り
リピート、連泊を想定した場合の心理で思いついた要素です。補足して整理してみましょう。
観光地や宿泊施設へのリピートや連泊を想定した場合の心理要素として、お客様の動機や期待をより深く掘り下げ、
「安心感」「新規性・変化」「愛着・人間関係」
の3つの視点から整理・補足します。
🔁 リピート・連泊の動機を紐解く3つの視点
お客様が再訪を決めたり、同じ場所で長く滞在したりする心理には、初回訪問時の「満足」を超えた、より深い感情や期待が関わってきます。
1. 😌 安心感・手間からの解放
初回で得られた「成功体験」を再体験したいという心理。旅先での失敗リスクを避け、快適さが保証された選択をしたいという動機です。
「失敗したくない」というリスク回避
具体的な宿・サービスへの信頼: 既にサービスの質や居心地の良さを知っているため、「期待を裏切らない」という信頼感がある。
慣れ親しんだ場所の心地よさ: 旅館の設備、温泉の場所、食事の形式など、細かなルールを知っていることによるストレスフリーな滞在(手間からの解放)。
アクセスの良さ・手軽さ: 移動や予約のプロセスが容易であること。(心身の負担軽減)
(連泊の場合)日常の延長とリセット
連泊することで、荷解きや移動の手間がなくなり、旅先での生活が「慣れたもの」になる感覚。心身ともに深いリラックスとリセットが可能になる。
2. ✨ 新規性・変化への期待(深掘り体験)
「全てを知り尽くした」という達成感を避け、「まだやり残したことがある」「もっと深く知りたい」という心残りや好奇心が動機になります。
3. ❤️ 愛着と人とのつながり
その場所や人に対する情緒的な結びつき。これが生まれると、単なる消費行動を超えた「帰属意識」や「愛着(ファン心理)」につながります。
現地の人との交流
旅館のスタッフや、地域のお店の人との顔見知り関係。「〇〇さんに会いたい」という、人間的な繋がりが最大の動機になる。
住民の地元愛やホスピタリティに触れ、コミュニティの一員として受け入れられたような「温かい記憶」。(プリンスエドワード島などの成功事例にも見られる要素)
場所への強い愛着・ファン化
単に満足しただけでなく、その土地全体への強い思い入れや「自分の大切な場所」という感覚を持つこと。
家族や友人を連れて行き、感動を共有したいという推奨意図。
これらの心理を刺激する観光地や宿泊施設は、リピーターの獲得に成功していると言えます。
地方都市の宿泊施設がリピーターを獲得し、持続的に地域に貢献していくためには、「地域愛を持つスタッフの現場力」と「企画力・編集力」を融合させ、それを自社のノウハウとして蓄積していくプロセスが不可欠です。
💡 地方宿泊施設の企画力と情報編集力の強化
現在、地方の宿泊施設に見られる「現場オペレーション」と「情報発信・企画」のスキルギャップを埋め、「物語の創作と情報編集」のノウハウを蓄積するためには、以下の2つの視点が重要になります。
1. 👥 人材の「編集者」化とノウハウの言語化
地域に根ざしたスタッフが持つ**「無意識のノウハウ」を、意識的な「企画・編集スキル」**へと昇華させるための仕組み作りが必要です。
地域情報翻訳者の育成: 地元のスタッフが持つ**「人情」や「旬の情報」**を、そのまま観光客に提供するのではなく、「なぜそれが魅力的か」「体験することで何が得られるか」を言語化し、魅力的なストーリーに編集する役割(地域情報翻訳者/エディター)を担う人材を育成します。
「失敗・成功事例」のデータベース化: 企画した体験プログラムや、お客様との感動的なエピソードを、単なる記録で終わらせず、「企画意図」「結果」「改善点」をセットにして、全スタッフがアクセスできるナレッジベースに蓄積します。これが**「自社企画開発」**のノウハウとなります。
2. 📝 行政依存からの脱却と「自社メディア」の確立
網羅的・一般的な情報発信になりがちな**「行政の編集」ではなく、自社独自の視点とフィルターを通した「企画情報」**を発信し続けることが、リピーターを生む動機となります。
宿泊施設が発信するべき企画の例:
地域コネクション企画: 地元漁師や農家との提携企画を、スタッフと地域住民の人間関係が伝わるストーリーとして発信する(例:「うちの料理長と〇〇漁師の30年来の付き合いが生む最高の魚」)。
「編集された」滞在提案: 観光地を回るプランではなく、「雨の日だからこそ、この宿で楽しむ5つの過ごし方」など、施設の内部体験と地域の魅力を融合させたテーマ性のある滞在プランを発信する。
この自社企画開発による情報発信が機能することで、「宿の魅力」=「地域の魅力の最も良い切り口」となり、「宿に泊まること自体」がその地域を最も深く楽しむための手段となるのです。
地方の宿泊施設が、この「企画・編集スキル」をノウハウとして蓄積するためには、外部のプロフェッショナル(フリーの編集者や地域コーディネーターなど)を一時的に招き、「言語化・編集の型」を学ぶトレーニングを実施することも有効な手段となるでしょう。
地方都市の宿泊施設がリピーターを獲得し、持続的に地域に貢献していくためには、「地域愛を持つスタッフの現場力」と「企画力・編集力」を融合させ、それを自社のノウハウとして蓄積していくプロセスが不可欠です。さらにかみ砕いて説明します。
🤔 なぜ「現場力」「企画・編集力」「ノウハウ蓄積」の融合が必要なのか?
これは、地方への旅の動機が変化していることと、宿泊施設の提供価値が「ハコ」から「体験」へと移行していることが根本的な理由です。
要するに、お客様は「ただ泊まる」のではなく、「ここでしかできない特別な体験と、心に残る人との交流」を求めており、それを実現し、持続的に改善するためには三位一体の融合が不可欠なのです。
1. 現場力(地域愛を持つスタッフ)が必要な「なぜ?」
理由:お客様が求める真の魅力は「生きた情報と人情」だから
地方の魅力は、ガイドブックには載らない**「生きた情報」と「人との温かい繋がり(人情)」**にあります。
この**「生きた情報」**(例:今日の朝獲れた最高の魚、今咲いている秘密の場所の花、地元民しか知らない店)を知っているのは、日々地域で生活し、愛着を持つ現場スタッフだけです。
この情報と、それを伝える際の**「心からのおもてなし(人情)」こそが、お客様の心に刺さり、「またあの人に会いたい」「あの時教えてもらった特別な体験をしたい」というリピートの決定的な動機**になります。
2. 企画・編集力が必要な「なぜ?」
理由:生の素材を「買える商品」に変えるため
現場スタッフが持つ「生きた情報」(素材)は、そのままでは**「雑談」**で終わってしまいます。
これを「この宿に泊まる価値」のある**「企画(商品)」**に変えるのが企画・編集力です。
例:「最高の魚がある」(素材) → 「その魚を、漁師さんとの会話を楽しみながら自分でさばける朝食体験」(企画)。
さらに、この企画を魅力的な**「物語(ストーリー)」として編集し、発信することで、お客様の「滞在前の期待値」**を高め、予約という行動に繋げます。これは「高級なハコ」だけではできない、情緒的価値の創造です。
3. ノウハウ蓄積が必要な「なぜ?」
理由:属人化を防ぎ、持続可能な競争力を生むため
現場力や企画力は、優秀な個人の能力に依存しがちです(属人化)。
「あのスタッフのおかげでリピーターが増えた」で終わってしまうと、そのスタッフが辞めた途端、リピートの動機も失われてしまいます。
成功した企画、お客様が感動した**「おもてなしの事例」**を言語化し、**組織の共有財産(ナレッジ)**として蓄積することで、誰が担当しても高品質な体験を提供できるようになり、旅館全体の持続的な競争力となります。
したがって、地方の宿泊施設がリピーターを獲得し、持続的に地域に貢献するには、以下のサイクルが不可欠なのです。
現場力: **「生きた素材」を見つけ、「人情」**で感動を生む。
企画・編集力: **「素材」を「買える商品・伝わる物語」**に昇華させる。
ノウハウ蓄積: 成功体験を**「組織の資産」**に変え、誰でも再現できるようにする。
この三位一体の連携によって初めて、遠方のお客様を何度も呼び寄せ、地域全体にお金を落とす**「観光のインフラ」**としての役割を果たすことができるのです。
リピーターや連泊客を増やすためには、地域に存在する「素材(コンテンツ)」を、宿泊施設の視点で「企画」し、「情報編集・発信」を通じて顧客の心に響く「ストーリー」に変え、その成功体験を「組織のナレッジ」として定着させる一連のサイクルが必要です。
このサイクルを「リピート・連泊を呼ぶ循環モデル」として整理します。
🔁 リピート・連泊を呼ぶ循環モデルの構成
🎯 各ステップの重要性と連関
1. 素材と企画:普遍的な観光からの脱却
リピート動機は「普遍的な満足(観光)」ではなく「固有の価値(体験・交流)」にあります。
素材の抽出: 地方では、観光協会が発信する「網羅的な情報」ではなく、「この宿に泊まるからこそ出会える人・食・場所」というフィルターを通した「尖った素材」を選び出すことが重要です。
企画とストーリーテリング: 選んだ素材を、単なる情報ではなく、スタッフや地元の人の「人情」や「物語」を織り交ぜた体験プログラム(企画)として構成します。これにより、お客様の感情に訴えかけ、「また来たい」という強い情緒的結びつきを生み出します。
2. 情報編集・発信:期待値の形成と動機づけ
企画した物語を、顧客の行動を促す形に**「編集」**し、適切なチャネルで発信します。
編集力: 大手宿泊施設の若い世代が持つような、ターゲットの心に響く言葉の選び方や写真の使い方、メディアの特性に合わせた構成力(例:Instagramでは視覚的な「旬」を、ウェブサイトでは連泊のメリットを深掘りするなど)が求められます。
発信力: この編集された情報が、顧客の**「滞在前の期待値」を高め、予約時・滞在中に「自分だけが知っている特別な体験」への探求心を刺激**します。これが連泊やリピートの初期動機となります。
3. ナレッジ化:組織学習による持続性
個々のスタッフの努力で終わらせず、組織全体で情報を共有し、次の企画に活かすことで、サービスの質を維持・向上させます。
言語化と蓄積: 成功した企画の**「プロセス(企画意図・実行内容)」と「結果(顧客の反応・収益)」を明確に言語化し、マニュアルやデータベースとしてナレッジ化**します。
組織の学習: このナレッジを基に、地元スタッフの持つ「現場力」と若い世代の「企画力」が融合し、「企画・編集・発信」のサイクルが組織として定着します。これにより、担当者が変わっても、常に高品質なリピートを呼ぶ企画を生み出し続ける持続可能な競争力となります。
事例は、地方の宿泊施設が専門的な市場(研修・MICE)に参入し、組織的なノウハウを蓄積する上で、情報発信チャネルの確立がいかに重要かを示す好例です。
報酬の問題で発刊が中止になったことは非常に残念ですが、もしこの情報交換が実現していた場合、旅館は目指す「研修宿」に近づくための「市場との対話」と「内部の言語化」**という二重の利益を得られたと考えられます。
リピーター・連泊客を増やす観点、および研修宿という目標達成の観点から、このメルマガ(情報交換)の意義を整理します。
「研修宿」化を促進する情報交換の3つの効果
このメルマガは、単なる宣伝ツールではなく、旅館が市場に製品を定義し、組織的にノウハウを蓄積するための重要なフィードバック・ツールとして機能したと考えられます。
1. 🎯 特定市場(研修・MICE)へのプロフェッショナルな情報編集と浸透
全国の旅行代理店は、研修や会議を企画する企業のニーズを最もよく把握している**「専門性の高い販売チャネル」**です。
2. 🧠 企画・構成力の向上とノウハウの言語化(ナレッジ化)
メルマガ発行という行為自体が、組織内部に**「言語化」と「ナレッジ化」**の強い動機付けとなります。
「研修宿」という視点での素材抽出の強化: メルマガに載せる情報を選定する際、「地元の漁師との交流」や「季節の旬」といった素材を、**「いかに研修やチームビルディングに役立つか」**という視点(企画・構成)で再定義・言語化する必要が生じます。
成功事例の体系化と組織学習: 発行を継続するためには、成功した研修プログラムや、代理店からのフィードバックを基に、**「どのような企画が研修客に響くか」というノウハウを言語化し、マニュアル化(ナレッジ化)せざるを得ません。このプロセスが、スタッフ全員の企画・編集スキルを高める「内部研修」**となります。
発信責任の明確化: 大手宿泊施設のような若手スタッフの情報編集スキルが不足していても、メルマガ担当者(チーム)が**情報の「編集責任」**を負うことで、そのスキルが組織に集積・強化されます。
3. 🗺️ 市場からのフィードバックと製品開発
発信に対する代理店からの反応は、旅館の**「研修宿」という製品の市場適合性**を測る貴重なフィードバックとなります。
顧客ニーズの直接把握: 代理店から「最近の研修では、〇〇のようなプログラムが求められている」といった具体的なニーズがフィードバックされれば、それを次回の企画に反映し、製品(研修プログラム)を迅速に改善できます。
「研修宿」としてのサービス精緻化: 「メルマガで紹介された会議室のレイアウトについて詳細が知りたい」「大人数での食事が可能なプランを」といった問い合わせに対応することで、**研修宿として必要なオペレーション(サービス設計)**が磨かれ、結果としてサービス品質が向上し、リピート・連泊につながる満足度が高まります。
この情報交換の中止は、旅館が**「目指すべき姿(研修宿)」の輪郭を具体化し、それを市場に届け、内部に定着させるための最も重要なパイプラインを失ったことを意味します。もし継続できていれば、地方都市のハンディキャップを乗り越え、確実に「研修宿」としての専門性とナレッジ**を蓄積できたはずです。