ビジネスモデルの構造転換

3. 具体的なプロジェクトへの落とし込み

この取り組みを「収益の多角化」へ繋げるためのステップ案です。

ステップ1：自社チームの「言語化」

まずはスタッフ自身が、日々の業務で「どう考え、どう動いているか」を棚卸しします。

例：**「なぜうちのチームは、忙しい時に誰に言われずともフォローし合えるのか？」**をエピソードベースで収集。

ステップ2：プログラムの開発（宿泊＋研修）

「ただ泊まる」のではなく、貴社のチームビルディングの手法を学ぶワークショップをセットにした宿泊プランを設計します。

• 1日目： 貴社の現場見学と、チームビルディングの失敗・成功事例の共有。

• 2日目： 貴社のスタッフがファシリテーターとなり、顧客企業の課題を議論。

ステップ3：地域プラットフォームへの展開

近隣のスポーツジムやレンタカー、レストランを「アクティビティ」として組み込みます。

• スポーツジムでのチームビルディング・エクササイズ

レンタカーを使った地域課題発見ラリー これらをパッケージ化することで、地域全体に収益を波及させ、貴社はその「プロデューサー」としてのポジションを確立します。 

1. メルマガから始まる「共創型営業」の構築

従来の「送客手数料」だけの関係から、旅行代理店と共に「新しい研修プログラム」を作るパートナーへの転換です。

• メルマガの内容: 「現場の泥臭いチームビルディングの裏側」や「印刷業・新聞社で培った情報編集術を、どう宿泊現場に応用したか」というプロセスを発信します。

• 効果: 旅行代理店の担当者が、顧客企業に対して「ただの温泉宿」ではなく「組織課題を解決できるパートナー」として提案しやすくなります。これが「共創スタイル」の営業力となります。

2. 「1人」から「組織・家族」へ広げるリファラル・ループ

個人の出張を起点に、波及効果を最大化する仕組みです。

• ビジネス・リピート: 1人で訪れた際に、「インハウス事業」の実践（現場の活気や工夫）を体感してもらい、自社のチームにも体験させたいと思わせる。

• 家族旅行への展開: 「チームビルディング（組織）」の知恵は、実は「家族（最小のチーム）」にも転用可能です。例えば「家族で取り組む情報編集ワークショップ」などを案内し、プライベートでの再訪を促します。

• リファラル（紹介）の仕掛け: 宿泊者に「同僚や知人の経営者に贈れる『チームビルディング体験優待チケット』」を渡すなど、物理的な紹介ツールを用意します。

3. 次のステップ：メッセージの発信

まずは、このコンセプトを旅行代理店や見込み客に伝えるための、第一弾のメルマガ（または案内文）のドラフトを作成できます。メルマガサンプルページはこちら

（このプロジェクトは中止となっております）

（メルマガ創刊準備号サンプルはこちら）

例えば、以下のような切り口が考えられます。

• 「コンサルは教えない、地方の現場で磨かれた『本物のチームビルディング』を体験しませんか？」

• 「宿泊を『変化のきっかけ』に。現場の知恵を言語化した新しいBtoB研修のご案内」

この仕組みに、地域の専門店、例えば、時計専門店には「ビジネスパーソン向けの時計」を企画してもらい、印刷ショップ向けには「QRコードチラシ＋Webコンテンツ設計」など企画してもらい、宿泊施設が地域ブランドのプラットフォームとして拠点となる取り組みができます。

• その構想は、宿泊施設を単なる「宿」から、地域の産業を束ねる**「メディア（発信拠点）」兼「ショールーム」**へと進化させる非常に高度な戦略です。 

2. 宿泊施設が果たす「エディター（編集者）」の役割

貴社（宿泊施設）がプラットフォームとして機能するためには、以下の3つの編集作業が必要です。

1. 文脈の統合（Contextualizing）: 時計や印刷物などの個別の商品を、ビジネスパーソンの「学び」や「成長」というストーリーの中に配置します。

2. 体験のパッケージ化（Packaging）: 「時計専門店での職人体験」や「印刷ショップと作るオリジナル名刺」など、宿泊プランのオプションとして組み込みます。

3. 信頼の裏付け（Endorsing）: 「私たちが実際に現場で使い、チームビルディングに役立てているもの」として紹介することで、広告ではない「生きた情報」としての価値を持たせます。

1. 「個」を主役にするブランディング

「ホテルの営業マン」という一括りの呼び方ではなく、**「会議コンシェルジュ」「地域共創エディター」「チームビルディング・ファシリテーター」**といった独自の専門性を冠したWebマガジンを個人が運営する。

• 個人の資産化: 自分の名前と専門性で仕事が来る体験は、大手企業の歯車では味わえない大きな報酬（やりがい）になります。

• ポートフォリオワーカーの育成: 現場の仕事（宿泊運営）をしながら、クリエイティブな発信（Webマガジン）も行う。この「多能工化」こそが、地方で生き残るための最強のスキルセットになります。

2. 優秀な人材が「集まる」論理的理由

高学歴な人材や志の高い若者が地方に目を向けないのは、給与の差だけではありません。「自分の力が試せない」「型にはめられる」という不安です。

• 「自分で事業を創る」経験: 宿泊プランの開発から、地域の専門店（時計店や印刷所）との交渉、Webでの集客までを一気通貫で行う。これは実質的に「社内起業」です。

• 心理的報酬の最大化: 自分が企画した「会議プラン」で、企業のチームが生まれ変わる瞬間を目の当たりにする。この圧倒的な成功体験が、次なる優秀な人材を呼び込むリファラル（紹介）を生みます。

3. シナジーの完成形：チームとしての「個の集合体」

「個」が自由に動くだけでは組織がバラバラになりますが、ここで貴社が掲げる**「考え行動するチームビルディング」**が効いてきます。

1. リーダーシップの分散: 「会議コンシェルジュ」がその分野のプロジェクトリーダーとなり、他のスタッフ（清掃、調理、フロント）をチームとして巻き込む。

2. ナレッジの還流: 個々の専門領域で得た知見（BtoB顧客の悩みなど）を、印刷業や新聞社といった本業の営業にもフィードバックする。

3. 多角化の加速: 「個」が強くなることで、新しい事業の種（地域の特産品開発など）が次々と生まれ、収益の柱が自然と増えていく。